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社会福祉を学ぶ人に読んでほしい16冊:コース別推薦図書(スターブックス シリーズpart.5)

2022年06月17日   教職員(star books)おすすめの本

明星大学図書館「スターブックス」シリーズpart.5
人文学部福祉実践学科推薦!
社会福祉を学ぶ人に読んでほしい本たち:コース別推薦図書

(資料タイトルをクリックすると明星大学図書館蔵書検索(OPAC)画面へ移動します。)


 

『ロンリのちから』

NHK『ロンリの力』制作班、野矢茂樹、日本放送協会【著】

物語の舞台は高校の演劇部。意見が対立し、撮影が中断。そこに現れるのは、顧問の溝口先生。「ロンリのちから」で鮮やかに問題を解決していきます。
大学ではレポートや論文、ソーシャルワークの実践で必要となる「論理的に説明する」ためにはどのような点に注意すればよいかを、具体例を通してふりかえり、確認するができる一冊。レポートの書き方や課題の分析方法などを本格的に学ぶ前に一読しておくと、学びの助けになる。

(推薦文:望月孝裕)

『認知症フレンドリー社会』

徳田雄人【著】岩波新書

バス、スーパー、図書館など英国での画期的な実践、そして新しい就労の形や、ともに生活する場を創りあげている日本全国の先進的な地域を紹介。
高齢化が進む現在、認知症の人が増えています。本書は認知症の人が暮らしやすい社会をつくるために、サービスを”認知症対応“にアップデートするという提案を行っています。スーパーマーケットやバス、図書館、金融機関などは、どのような取り組みができるのか、イギリスや東京都町田市の実践例を紹介しています。

(推薦文:山井理恵)

『ヤングケアラーわたしの語り : 子どもや若者が経験した家族のケア・介護 』

澁谷智子【編】

多様にあるケアの経験を、当事者だった7人が書き下ろした、それぞれの「わたしのストーリー」。
ヤングケアラーとは、ケアが必要な家族を世話している18歳未満の子どものこと。本書には、7人の元ヤングケアラーの体験が収められている。家族が家族の中で解決できる物事と、社会福祉の支援者が解決する物事の線引きは難しく、日本の福祉システムが家族からの援助ありきで成り立っていることの影響も大きい。人は誰もが自分の人生の主人公なのだが、それが難しい生活をしてきた人たちのことにも思いを寄せて、この本を読んでみてほしい。

(推薦文:吉川かおり)

『事例から学ぶ支援を深める相談技術:現場実践から導きだされた17のメソッド』

吉田悦規【著】

現場の最前線に立つソーシャルワーカー、相談援助に携わる支援者に伝えたい。クライエントの本当の要望を引き出し、適切な支援につなげるために。相談を深め、クライエントと対等な関係を築くために。8つの事例を通じて支援者の思考過程をみる。
様々な事情を抱える対象者とのコミュニケーションを円滑にしながら関係づくりの促進や支援構築を実践的に理解を深める内容です。繰り返し活用することで対人スキルを磨ける1冊です。

(推薦文:妹尾和美)

『よくわかる地域福祉』新版

上野谷加代子、松端克文、永田祐【編著】

地域福祉とは何か、から将来展望までを、研究者や現場の専門職がそれぞれわかりやすく解説していく。特に新たに、「子ども」や「災害」の視点を追加した。
子ども、障害者、高齢者、災害対策、貧困などすべてを対象とするのが「地域福祉」です。その対象範囲の広さから初学者は戸惑うこともあるでしょう。本書は具体的な支援事例を紹介し、理論や社会背景と組み合わせながら「地域福祉」の実態をわかりやすく解説しています。

(推薦文:鈴木裕介)

『物語介護保険: いのちの尊厳のための70のドラマ』上

大熊由紀子【著】

急速に進展する少子高齢化。にもかかわらず、日本型福祉の名のもとに、高齢者も障碍者も「家族で面倒を見るのが当然」とされてきたわが国では、様々な悲劇が繰りかえされてきた。そのあり方を抜本的に改め、介護の社会化への道を切り開くべく2000年に導入された介護保険制度はどのようにして誕生し、導入の過程においてはどのようなドラマが繰り広げられたのか。30年を超える綿密かつ広範な取材に基づき、図版と写真を豊富に駆使しながら、介護・介助の問題の諸相、日本の福祉が直面する現実を浮き彫りにし、日本人の生のあり方を問う。福祉と医療、現場と政策をつなぐ幅広いネットワークを構築し、実践的な問題提起を続けてきた著者ならではの労作。これからの日本をどのように構築するのかを考える上で必読の書。
介護保険制度の創設をめぐる70 のエピソード。介護の社会化へ向けた制度の創設を、携わった人物の活動から描き出している。また、当時の高齢者に対する人々の考え方や高齢者ケアの状況の描写(資料)は、現行の制度(介護サービス)がなぜできたのかという理解をすすめてくれる。

(推薦文:望月孝裕)

『いますぐ彼を解きなさい : イタリアにおける非拘束社会への試み』

ジョバンナ・デル・ジューディチェ【著】
岡村正幸【監訳】 小村絹恵【訳】

イタリアでは、1978年に精神病院をなくす法律180号(バザリア法)が制定されたが、精神医療の現場では依然として「拘束」が存在している。本書は、現在進行中の運動や、拘束が頻繁に起こるメカニズム、その社会的背景について書き下ろした一冊。
イタリアの精神病院で、拘束廃止運動に長年取り組んできた著者が、社会的背景やメカニズムを解説。「人が人を縛る」ということを多方面から検討し、「制度改革」とは「かかわる人間の改革」であることや、人間と社会のありよう(主体-客体)への問いを提示。人間(我々)とは何か、排除とは何か、福祉とは何かを考えさせる、名著である。

(推薦文:吉川かおり)

『保健医療ソーシャルワークの基礎:実践力の構築』

日本医療社会福祉協会 【編】

医療における社会保障政策の動向、医療ソーシャルワークの成立の経過と今後の課題、医療ソーシャルワークの価値と倫理医療など、ソーシャルワーカーが習得すべき知識、技術をまとめた本。
保健医療分野のソーシャルワークについて体系的にまとめられています。特にアセスメントや実践事例検討方法は大変わかりやすく記載されています。保健医療制度は目まぐるしく変化するので常に最新の情報を理解する必要がありますが、まずは本書で基本的な制度について学ぶことから始めることをおすすめします。

(推薦文:鈴木裕介)

『児童虐待 : 現場からの提言』

川崎二三彦【著】 岩波新書

なぜ、わが子を自ら危険に陥れてしまうのか。そこには、日本の貧困な福祉行政、親を取り巻く社会の急速な変容など、根本的な問題が潜んでいる。児童相談所に勤務し数々の相談に対応してきた著者が、その実態や解決の手がかりを、自らの体験をもとに語る。
子どもへの虐待の種類や特徴、背景などがわかりやすくまとめられています。虐待問題の入門書として最適です。

(推薦文:川松亮)

『子どもの貧困ハンドブック』

松本伊智朗 ほか 【編著】
「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク【編】

そもそも「貧困」とは?「貧困の連鎖」って、なに?「6人に1人」ってどういうこと?子どもの貧困問題の基本的な考え方や知識・データをわかりやすくまとめて、対策の新しいステージに。
日本における子どもの貧困問題の実態やその背景がデータと共に紹介されています。子どもの貧困とはどういうことなのか、子どもにどういう影響を与えるのか、克服のためにどのような取り組みがなされているのかなど全体像を知ることができる本です。

(推薦文:川松亮)

『障害者とともに働く』

藤井 克徳、星川 安之【著】

障害のある人の労働の実態について解説し、障害者が働くさまざまな企業の事例を紹介します。テレワークの広がりやICTの導入など、人々の働き方が大きく転換するなかで、誰もが希望をもって働ける社会のあり方を考えます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活、そして労働環境も大きく変わりました。例えば、対面が中心だった打合せや会議などをオンラインで行うことが当たり前の選択肢の1つになっています。障害者の方の雇用も大きく変わってきています。
障害のある人の支援に携わる我々も、この変化を踏まえ、支援のあり方をアップデートしていく必要があるのではないでしょうか。本書は、このような大きな変化の中だからこそ重要となる、普遍的な考え方や支援者として行うべきことをわかりやすく解説しています。

(推薦文:縄岡好晴)

『あしながおじさん』

ウェブスター【著】 土屋京子【訳】

孤児のジュディは文才を認められ、ある匿名の紳士の援助を受けて大学に通わせてもらえることに。新たな環境で発見と成長の日々を送りながら、ジュディは「あしながおじさん」と名付けたその紳士に、お茶目な手紙をせっせと書き送るが…。
孤児院で暮らしてきたジュディ=アボットが、「あしながおじさん」の援助を受けて大学に進学します。当初は孤児院出身を引け目に感じていたジュディが、大学での経験や学びを通じて、孤児院での経験をほかの人にはないものとして認識していく過程が印象的です。
『続あしながおじさん』は、孤児院を改革していくストーリーで、時代的な限界はありますが、こちらもおすすめです。

(推薦文:山井理恵)

『生活場面から見た福祉用具活用法』

浅井憲義、大熊明、奈良篤史【編著】

目次
第1部 総論(福祉用具と生活支援;福祉用具の歴史と制度・施策;福祉用具の適応と選択)
第2部 実践編(移動実践編;日常生活動作実践編;入浴実践編;排泄実践編;更衣・整容実践編 ほか)
年齢とともに身体機能が低下し今まで当たり前のようにできていた行動ができなくなり、色々なサポートが必要になる―そんなときに便利な福祉用具があれば、本人の負担や家族の介護負担が軽くなります。推薦する本書は、家族等の介護負担軽減などが期待されるさまざまな福祉用具を、生活場面ごとに活用できるように具体的に紹介しています。福祉用具別、取扱先別の索引も充実していて、利用者のQOL向上に役立つ福祉用具を上手に活用するヒントに満ちています。

(推薦文:横倉三郎)

『アメリカで生きた女性たち : 戦後国際結婚した日本人女性のオーラルヒストリー』

浅井正行、浅井直子【著】

サンフランシスコ・ベイエリアに、国際結婚をした日本人女性を支援するためのNPO団体「ひまわり会」がある。その会員10人が、自身の生い立ち・渡米後の生活・家族・故郷への思いを語る。
日本で“内なる”グローバル化が進んでいます。海外に行って外国人と接する機会よりも、日本国内において外国人と関わる機会の方が、ますます多くなっていきます。では、ソーシャルワーカーは、日本に住む外国人に対して、どのような支援ができるでしょうか?文化や言葉の異なる人々への支援方法や支援の重要性が、国際結婚をした日本人女性のオーラルヒストリーから見えてきます。

(推薦文:浅井正行)

『外国人労働者受け入れを問う』新版

宮島喬、鈴木江理子【著】

2018年末に成立した改定入管法により、外国人労働者の受け入れ拡大が進められている。だがそこでは、彼/彼女らは労働力として扱われている。すでに日本で働き暮らしている、そしてこれから来日する外国人/移民と共に生きる多文化社会への途を考察する。
日本には「移民」はいないとされる一方、国際移住機関(IOM)は「一国内か国境を越えるか一時的か恒久的かに関わらず本来の住居地を離れて移動する人」を移民と定義しています。日本を100人の村と換算すると、技能実習生、留学生、難民などの外国人はすでに2人です。移民かどうかの呼称に関わらず彼らの社会的包摂は急務であり、それを知るのに適したのが本書です。

(推薦文:加藤めぐみ)

『やさしい猫』

中島京子【著】

シングルマザーの保育士ミユキさんが心ひかれたのは、八歳年下の自動車整備士クマさん。娘のマヤも面倒見のいいクマさんに懐いている。出会って、好きになって、ずっと一緒にいたいと願う。小さな幸せが突然奪われたのは、彼がスリランカ出身の外国人だったから。
自分の周りに外国人がいないと、なかなか彼らが日本で生活する上で直面する困難、抱える苦労は見えてきません。外国人ゆえに正規の福祉サービスを受けられない人たち、そういった人に出会う日本人、そしてそこに生まれる関係性を語った本書は、ストーリーの面白さとともに、いま何が問題になっているのかを伝えてくれる文学作品であり啓発書です。

(推薦文:加藤めぐみ)

 

※書籍の内容および目次情報は、各書籍とCiNiiBooks、出版社Webサイトを参照・引用しました。

※明星大学図書館内でスターブックスの冊子を提供しています。ご自由にお持ちください。

明星大学図書館「スターブックス」シリーズ part.5
人文学部福祉実践学科推薦!社会福祉を学ぶ人に読んでほしい16冊

発行日:2022年6月18日
制作:明星大学図書館

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