『朝が来る』
今回は、2020年に映画化もされた、
辻村深月さんの『朝が来る』という小説を紹介します。
「子どもを、返してほしいんです」
この物語はそんな一本の電話から始まります。
中学生で妊娠・出産をし、それを機に
人生が崩れ落ちていく幼い生みの親。
辛い不妊治療の末に、
特別養子縁組により子どもを迎え入れた育ての両親。
若年妊娠や若さゆえの無知、両親から押し付けられる「普通」。
長いトンネルのような不妊治療、養子縁組など、
それぞれの苦悩がそれぞれの目線でリアルに描かれています。
私は、若くして妊娠をした幼い生みの親の方に
年齢が近いこともあり、
彼女の苦悩や突きつけられる現実に
とても胸を締め付けられました。
親の世代になったときに、また読み返してみたいと思います。
単なるミステリー小説ではなく、
様々な社会問題や家族の在り方について考えさせられる一冊です。
ぜひ読んでみてください。
『朝が来る』
出版社:文藝春秋
著者:辻村深月
出版年:2015年6月
配架場所:日野図書館 自動化書庫
請求記号:913.6||Ts44
メリアン*まお(教育学部3年)
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