13世紀ラテン語写本聖書
Biblia Sacra
発行/発行地不明, 13世紀頃
寸法/H27cm x W19cm
貴重書登録番号/MR592
誤字や間違い、一冊に複数の筆跡。 肩こりやインク垂れを防ぐ工夫も
13世紀には薄い羊皮紙の生産が可能になって多くの書物が作られ、修道院では羊皮紙や羽ペン作りから、インクの調合、筆写、装飾・彩色、製本までが組織的に行われていた。高い技術を積んだ「写字生」ではあったが、膨大な文字を筆写するため誤字や間違いもあり、分業で書き上げられて一冊に複数の筆跡が見られるものも。ページを拡大してみると、羊皮紙ならではの質感や、手書き独特のインクの濃淡もわかる。筆写には角度の大きい傾斜台を使用することで、首の疲れを抑え、ペンからインクが垂れても直接羊皮紙に落ちないような工夫がされた。