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企画展「小泉八雲」 『仏領西インド諸島の二年間』のお話

2020年8月27日   企画展「小泉八雲」

こんにちは、明星ギャラリー学芸員のHです。
企画展「小泉八雲」の展示資料をご紹介します。

 

『仏領西インド諸島の二年間』(1890年)は、
八雲が37歳の頃に二度滞在したマルティニーク島や西インド諸島を巡った記録です。


絡み合う植物の模様が印象的な表紙です。


展示の様子です。(左から二冊目)

八雲は、1887年にマルティニーク島をはじめとする西インド諸島を訪れ、
「熱帯への真夏の旅」という紀行文を執筆しました。
その原稿を出版社に売ったお金で再度マルティニーク島に訪れます。
さらに、二回目の滞在の際にはフランス製のカメラを購入し、
島の風景や島に住む人びとを撮影したりしました。

1890年、「熱帯への真夏の旅」と二度目の滞在の際に執筆した
「マルティニーク・スケッチ」(マルティニーク小品集とも)を収録した
『仏領西インド諸島の二年間』が出版されました。

アメリカで新聞記者をしていた八雲が書いたこの本は、
熱帯の自然やそこに住むクレオールと呼ばれる
植民地で生まれ育ったヨーロッパの人びとの暮らしぶりが書かれています。

口絵にはクレオールの女性の写真が掲載されています。
エキゾチックな魅力がありますね。

カリブ海地域に面した英領ギアナ(ガイアナ)の首都ジョージタウンの
デメララという通りの挿絵です。

 「デメララのわたしの記憶は、いつもこの強烈な日ざしの記憶になるだろう。
 その光輝たるや、電気の炎という考えがおこるほど、
 何ともいえない目の眩むような力をもっている。
 -水平線などは、まるで静止している一面の電光みたいで、

 目の前が真っ暗になってしまうし、空のてっぺんなどは見上げることもできない。」
 (小泉八雲『仏領西インドの二年間上』平井呈一訳、恒文社、
  1992年第二版三刷、p.91)
想像するだけで目が眩みそうな、熱帯の日差しの描写です。

本を通じて、八雲の旅を想像してみるのも面白いかもしれません。

(明星ギャラリー・H)

 

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、企画展「小泉八雲」については、
休止しております。
再開する際には、図書館オリジナルサイトにてお知らせします。

※展示品はページ替えを行っております。
時期により、本ブログにて紹介しているページと
異なるページを展示している場合があります。

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