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哲学・思想に親しむための50冊(スターブックス シリーズpart.1)

2018年3月12日   教職員(star books)おすすめの本

明星大学図書館「スターブックス」シリーズpart.1
全学共通教育委員会推薦!
哲学・思想に親しむための50冊

(資料タイトルをクリックすると明星大学図書館蔵書検索(OPAC)画面へ移動します。)

『ヨーロッパ思想入門』

岩田靖夫【著】 岩波ジュニア新書

ヨーロッパ思想の根幹とされるギリシア思想、ユダヤ・キリスト教を分かりやすく解説した入門書。

(推薦:村井則夫)

『近代文化史入門―超英文学講義』

高山宏【著】 講談社学術文庫

思わぬ視点からヨーロッパ思想を読み解く異色の文化史。教科書的な定説に飽き足らない人に。

(推薦:村井則夫)

『ドイツ古典哲学の本質』

ハイネ【著】 岩波文庫

妖精や幽霊の話から始まって、宗教改革を紹介し、カントやヘーゲルなど、ドイツ哲学の最高峰を論じるその話術は実に見事。

(推薦:村井則夫)

『思想のドラマトゥルギー』

林達夫, 久野収【著】 平凡社ライブラリー

思想とはドラマチックで軽やかなものである。対談を通じて、思想が誕生する生き生きした現場に立ち会おう。

(推薦:村井則夫)

『パイドン ―魂の不死について』

プラトン【著】 岩波文庫

死刑判決を受けたソクラテスが獄中で、魂の不死や死後の世界をめぐって弟子たちと交わした対話。古典中の古典。

死刑直前という生と死のはざまで嘆き悲しむ弟子や家族とは対照的に、ソクラテスは哲学的な思索の道を突き進み、日常のわれわれが思いもしない世界を描きだす。ソクラテスは、哲学に邁進した英雄なのか、あるいは哲学に取りつかれた怪物なのか。ソクラテスの死の様子が弟子プラトンによって克明に描かれる。

 (推薦:村井則夫)

『ホモ・ルーデンス 』

J.ホイジンガ【著】 中公文庫

人間の文化は「遊び」から生まれた?「遊び」をキーワードに西洋文化全体を概観する斬新な文化論。

(推薦:村井則夫)

『無限論の教室』

野矢茂樹【著】 講談社現代新書

論理を駆使して、常識を覆す論法が満載。対話体で丁寧に論じる本書には思わず引き込まれる。

(推薦:村井則夫)

『純粋な自然の贈与』

中沢新一【著】 講談社学術文庫

文化人類学をベースとしながら、現代の思想を駆使して、「自然」についての考え方を再考する。

(推薦:村井則夫)

『遊学』1,2

松岡正剛【著】 中公文庫

古今東西の大思想家たちの思想を数頁毎に紹介し、面白い切り口を示してくれる入門書。

(推薦:村井則夫)

『美とうつくしさ -「あるがまま」についての思索』 

山下善明【著】

 

美という現象を徹底して考えることで、世界や存在という哲学的問題に迫る。西洋思想と日本の思想との根本的な違いを照らし出す。

美とは単なる感覚的な満足ではない。現代の芸術が冒険的で挑発的であるように、美は私たちの思考を刺激してやまない。本書は、単なる過去の思想の紹介ではなく、著者本人が哲学の問題をどのように考えてきたか、その軌跡を豊かな日本語で忠実に記している。その大胆で繊細な思考を辿ってもらいたい。著者は本学教員。

(推薦:村井則夫)

『日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか』

竹内整一【著】 ちくま新書

「さようなら」という何気ない挨拶に含まれた意外で深い日本人の心情と思想が面白く語られる。

(推薦:村井則夫)

『西洋学事始』

樺山紘一【著】 中公文庫

占星術・錬金術・紋章学などの意外な分野を取り上げ、ヨーロッパ思想の広がりと深みを実感させる。

(推薦:村井則夫)

『近代科学の誕生』上,下

H.バターフィールド【著】 講談社学術文庫

近代科学がどのように誕生したか、ヨーロッパ文化の思想的背景にまでさかのぼって、分かりやすく論じた名著。

(推薦:村井則夫)

『人間の建設』

小林秀雄 ; 岡潔【著】 新潮文庫

日本を代表する文芸評論家と数学者という異色の組み合わせによる対談。学問と芸術への入門。

(推薦:村井則夫)

『カンディード』

ヴォルテール【著】 光文社古典新訳文庫

 

青年カンディードが次から次へと不幸な出来事に遭遇して、それでも「この世界は最善の世界である」と言い張る師パングロスの口舌を遮るようになるまでの物語。

未曾有の大災害の同時代を生きるとき、哲学者は何を考えるのだろうか。例えば、1755年のリスボン大地震の惨状を知って、フランスの哲学者ヴォルテールは、それでもキリスト教の神が造られた世界は最善の世界であるとする世界観(「最善説」)に疑義を呈し、小説『カンディード』の中でこの主張の滑稽さを暴き、その世界観と対峙した。

(推薦:林伸一郎)

『文明移転-東西文明を対比する』

江上波夫, 伊東俊太郎【著】

 

科学史と考古学者による、ヨーロッパとユーラシア大陸をまたにかけたスリリングな対談。

(推薦:村井則夫)

『哲学の饗宴 ―ソクラテス・プラトン・アリストテレス』

荻野弘之【著】

古代ギリシア哲学(プラトン・アリストテレス)に関心をもったら、まずこれを手引きに考えてみるとよい。

(推薦:村井則夫)

『デミアン』

H.ヘッセ【著】 岩波文庫

思想小説とも言うべき深みと広がりをもった小説。単なる物語とは違った独自の世界観が、青年の精神的成長を通して語られる。

(推薦:村井則夫)

『知識人とは何か』

E.サイード【著】

知識人とはアマチュアでなければならない。専門の狭い枠を超え、物を考える思考の自由とは何かを語る。

(推薦:村井則夫)

『極限の事態と人間の生の意味 ―大災害の体験から』

岩田靖夫【著】 

大震災の中で死に晒された他者の叫びを前にして、改めて人間存在やその生の意味を問わざるを得なくなった哲学者の遺稿。

東北大震災を体験した哲学者は、聖書や古代ギリシアから現代に及ぶ、また洋の東西にわたるさまざまな哲学・思想を手がかりに、その体験と「人間の生の意味」を考え続けた。ヴォルテールが批判した「最善説」も考察の対象になっている。

(推薦:林伸一郎)

『シュルレアリスムとは何か』

巌谷國士【著】 ちくま学芸文庫

現代芸術の源流となった過激な芸術家たちの思想を平易に語る。芸術とは夢であり挑発である。

(推薦:村井則夫) 

『神話学とは何か』

吉田敦彦,松村一男【著】

 

神話は思想の故郷であり、未開拓のフロンティアである。世界や日本の神話に関心のある人には格好の入門書。

(推薦:村井則夫)

『創世記 -旧約聖書』

関根正雄【訳】 岩波文庫

キリスト教の神が造られた世界は最善の世界であるという「最善説」を理解するために。

(推薦:林伸一郎)

 『ヨブ記 -旧約聖書』

関根正雄【訳】 岩波クラシックス

義人ヨブは理不尽な不幸を経験するが、それでも神が正しいことを受け入れる。「最善説」を考えるヒント。

(推薦:林伸一郎)

『科学の方法』

中谷宇吉郎【著】  岩波新書

自然科学の方法、そしてそれに律せられた科学的真理は、〈自然〉の何を解き明かしたものか。科学者自身の科学への静かな反省の書。

「カガクテキシンリ」と言うと「化学的心理」と書く学生が後を絶たない。単に漢字力の問題ではない。彼らに限らず、「科学」という言葉さえ知らずにおられるほど科学を盲信しているのである。本書は科学の勉強の仕方を教えるのではない。むしろ科学から一歩離れて科学の存在に目醒めること。それで初めて「科学する心」も育まれるであろう。

(推薦:山下善明)

「神の愛と不幸」

『シモーヌ・ヴェイユ選集3』所収

 W.シモーヌ【著】

自然の猛威に理由もなく翻弄された人間にこそ開かれる、不在である者-神-との交わりの世界について。

(推薦:林伸一郎)

『呼び覚まされる霊性の震災学 ―3・11生と死のはざまで』

東北学院大学震災の記録プロジェクト金菱清ゼミナール【編】

2011年の震災でも、被災者が不在である「死者とともに」生きていることを示唆する経験が報告されている。

(推薦:林伸一郎)

『先祖の話』

 柳田國男【著】

そもそも日本人は死や死者、死後の世界を親しいものと感じてきた。

(推薦:林伸一郎)

『魂にふれる ―大震災と、生きている死者』

若松英輔【著】

日本の思想家たちは「共に生きる死者」をどのように論じてきたか、また論じているか。

(推薦:林伸一郎)

『南無阿弥陀仏』

柳宗悦【著】  岩波文庫

 

本来仏教の浄土思想が、鎌倉の代において日本化すると共に、それはまた日本本来の信仰心情の目醒めであったことを辿った本。

「平和と民主主義」の戦後教育は、深い宗教信仰を私達の心から追い出した。宗教といえば超常現象のことか何かと思っている。よって邪教もはびこる。この本で法然、親鸞、そして一遍を辿ってみるならば、私達を日本の清々しい素心に戻らせてくれるだろう。心の故郷に帰ったかのように。

(推薦:山下善明)

「死の哲学と実存協同の思想」

『懺悔道としての哲学・死の哲学』所収

大峯顕,長谷正当,田辺元【著】 京都哲学撰書

哲学者田辺元は死者をも包みこむ交流の世界を「実存協同」という言葉で考えた。その思想の解説。

(推薦:林伸一郎)

「宗教とは何か」

『宗教 -哲学コレクション1』所収

上田閑照【著】 岩波現代文庫

人間はそもそも自分を超えたものと関わりうる「宗教的」存在ではないか。宗教哲学からの一つの応答。

(推薦:林伸一郎)

『哲学初歩』

田中美知太郎【著】 岩波現代文庫

真の哲学入門書は、哲学への案内ではなく哲学からの案内であることを、この書に知るであろう。

(推薦:山下善明)

『西田幾多郎随筆集』

上田閑照【編】 ワイド版岩波文庫

 所収の40編余りの随筆から「我が子の死」「暖炉の側から」の二篇だけで人生と哲学を知るだろう。

(推薦:山下善明)

『精神分析入門 上』

フロイト【著】  新潮文庫

 

精神分析創始者であるフロイト本人による本来的な入門書。精神分析を知らない初心者向けに「無意識」について語る。

精神分析の根幹は「無意識的欲動」というフロイト独自の概念にある。わたしたちは皆、この欲動に対して、フロイトの言う「抵抗」を免れることができないため、欲動を焦点とするフロイトの言説は理解しにくい。フロイトは、この「抵抗」に対して、実際の経験に基づく綿密な論理をもって真摯に打ち克とうとする。

(推薦:片山文保)

 

『精神分析入門 下』

フロイト【著】  新潮文庫

上巻の続きの他に、晩年の「精神分析入門(続)」が収録されており、不安論と女性論が面白い。

(推薦:片山文保)

『夢判断 上』

フロイト【著】 新潮文庫

フロイトが分析理論を大きく発展させる契機となった夢の研究。豊富な実例と綿密・周到な論理。

(推薦:片山文保)

『夢判断 下』

フロイト【著】 新潮文庫

特に、第七章「夢事象の心理学」には、フロイトの無意識的欲動の理論が詳細に論じられている。

(推薦:片山文保)

『フロイト -著作と思想』

宇津木保【著】

絶版で図書館でしか読めないが、フロイトの各重要著作をコンパクトに要約・紹介している。

(推薦:片山文保)

 

『機知 -フロイト全集8』

フロイト【著】

精神分析理論を機知というよく知られた人間的事象に適用し、理論の有効性を示すと共に、さらなる分節化を図った著作。

しゃれ、機知、滑稽、ユーモアなど、ことばによる遊びはわたしたちの生活に深く馴染んでいる。この日常的な言語実践を豊富な実例に即して巧妙に分析し、その背後の「無意識的欲動」の水準に、何者かの密かな「享楽」の存在を浮上させる。ベルグソンの『笑い』をも包摂する広範な論理である。

(推薦:片山文保)

『ラカンの精神分析』

新宮一成【著】 講談社現代新書

フロイトの分析理論をもっともよくその本質において捉え、さらに発展させたラカンの入門書。

(推薦:片山文保)

『精神病の構造 - シニフィアンの精神病理学』

藤田博史【著】

ラカンの入門書。その理論の要点について適切に紹介し、かつ、著者独自の展望を示したもの。

(推薦:片山文保)

『テレヴィジオン』

J.ラカン【著】 講談社学術文庫

 ラカン自身のことばに触れたい人向けの小冊子。自己の欲望を知ることは倫理の根本である。

(推薦:片山文保)

『流れとよどみ -哲学断章』

大森荘蔵【著】

現代の哲学者による身に迫る哲学入門書。台所(日常)の床板一枚はがせばそこは奈落だと言う。

(推薦:片山文保)

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

『レオナルド研究 -下村寅太郎著作集5』所収

下村寅太郎【著】

芸術家レオナルドは哲学者でもあったのではない。芸術家として哲学者であったことを知るだろう。

(推薦:山下善明)

『逝きし世の面影』

渡辺京二【著】 平凡社ライブラリー

かつて日本は、人々も国土もどれほど美しかったか。そして今はどれほど醜くなったかを知るであろう。

(推薦:山下善明)

『人生の価値について』

西尾幹二【著】

世の人生論は、いかに生き易く生きるかの処方箋でしかない。この書に、私達は何故病むのかを知るであろう。

(推薦:山下善明)

『伊東静雄詩集』

杉本秀太郎【編】 岩波文庫

感傷なき矜情歌とは何か、氷れる詩的認識とは何か、日本語表現の極限はどこか、を知るであろう。

(推薦:山下善明)

 『水と緑と土 ―伝統を捨てた社会の行方』

富山和子【著】 中公新書

この日本列島は私達を取り囲む自然環境といったものではない。住む私達の身体であることを知るだろう。

(推薦:山下善明)

『沈黙』

遠藤周作【著】 新潮文庫

「あなたに殉じて死に行く人たち、なぜ神よ、沈黙しておられるのか」
神の沈黙に神を知るだろう。

(推薦:山下善明)

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